再婚によって、他人だった相手が家族になる。血のつながりがないぶん心理的な障壁は低く、しかし続柄としては父と娘になっている。この「制度としてだけ家族」という状態が、義父もののほぼすべての出発点です。3媒体あわせて2,270件あります。
「義父」は2,270件。血縁がないことが型を決める
まず規模を確認します。近親相姦ジャンルの作品のうち、タイトルに「義父」を含むものを3媒体で数えると次のようになりました。
| 抽出語 | AV | コミック | 同人 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 義父 | 1,735 | 131 | 404 | 2,270 |
| 連れ子 | 575 | 41 | 123 | 739 |
| 再婚 | 1,213 | 161 | 418 | 1,792 |
| ジャンル「叔父・義父」(同人のみ) | — | — | 267 | 267 |
AVが1,735件と圧倒的です。近親相姦もの全体でもAVが最大の媒体ですが、義父ものはその中でも特にAVに偏っています。
血がつながっていないのに、なぜ近親相姦の棚に入るのか
義父と連れ子には血縁がありません。法律上も、養子縁組をしていなければ姻族です。それでもこの題材が近親相姦ジャンルに分類されるのは、禁忌が血ではなく続柄によって作られているからです。
同じ家に住み、同じ食卓につき、外に対しては「父と娘」として振る舞う。周囲もそう扱う。血のつながりがなくても、その関係を壊せば家庭が壊れます。守るべき線はそこにあります。
この構造は、実の父娘ものとは緊張の質が違います。実の父娘は「そもそも越えられない線」を越える話ですが、義父と連れ子は「越えられてしまう線」の話です。障壁が低いぶん、越えたあとの重さが引き受けられていきます。
「再婚したばかり」という時間が使われる
この型でよく設定されるのが、再婚してからまだ日が浅い状態です。再婚が1,792件と大きな数字になっているのはそのためだと考えられます。
再婚直後には、家族としてまだ固まっていない時間があります。呼び方が決まっていない。距離感が決まっていない。相手を家族として見る習慣がまだできていない。この宙ぶらりんな時間が、物語の入口として使われます。
逆に言えば、この題材は「家族になりきる前」を舞台にすることが多いということです。何年も一緒に暮らしたあとから始まる話は、相対的に少なくなります。
姉妹が順番に、という構成が成立する理由
義父ものの特徴として、対象が一人ではなく姉妹の両方に及ぶ展開がしばしば見られます。
これは他の続柄では作りにくい構成です。実の父娘や兄妹では、複数を対象にすると家庭内の力関係が破綻してしまいます。ところが義父の場合、連れ子が2人いれば両方とも「血のつながらない相手」です。関係の性質が同じなので、同じ構造をもう一度繰り返せます。
この「複数を相手にする」構成は、数字にも表れています。近親相姦と3P・4Pの両方が付いた作品は2,171件、乱交は834件ありました。同人には「家族」というジャンルが別に用意されていて1,637件あります。
ただし注意が必要なのは、姉妹を分けて数えられるのは同人だけだという点です。AVと成年コミックのタグは「姉・妹」で一括になっており、どちらを指しているのか区別できません。この制約については続柄いちらんに整理しています。
「調教」という語で括られる展開
義父ものでは、関係が一度で終わらず、段階的に進む構成がよく使われます。この展開を指す語として作品側で使われているのが「調教」で、近親相姦ジャンルの中に1,524件あります。
ここでいう調教は、行為そのものというより関係の変化の描き方を指しています。抵抗があった状態から、日常として受け入れる状態へ。その過程を時間をかけて描くことが、この語が使われる作品の共通点です。
父と娘の関係で同じ構成を扱ったものは父が娘を調教する型にまとめています。血縁の有無で、同じ「段階的に変わっていく」展開でも読み味がかなり変わります。
AVに集中しているのはなぜか
義父ものはAVに1,735件、成年コミックに131件、同人に404件と、極端にAVへ偏っています。近親相姦もの全体の媒体比(AV 25,376/コミック 5,232/同人 13,334)と比べても、AVへの偏りが強い。
理由として考えられるのは、AVというフォーマットとの相性です。
- 設定の説明が短くて済む。再婚したという一言で関係が確定するため、導入に時間をかけずに済みます
- 年上の女性が中心のジャンルで、男性側が年上になる数少ない型。AVでは熟女が13,827件と共起ジャンルの最大で、女性が年上の構図が主流です。義父ものはその中で例外的に構図が反転します
- 継続的な関係を描きやすい。同じ家に住み続けるという条件が、シリーズものの構成と噛み合います
逆に成年コミックで131件と少ないのは、コミック全体の規模が小さいこと(近親相姦もの5,232件)に加えて、コミックでは母や妹を扱う型に比重が置かれているためだと考えられます。媒体ごとの傾向の違いは作品を探すのページで確認できます。
義母との対比で見ると構造がはっきりする
義父ものと鏡になるのが義母ものです。両者を並べると、この題材における性別の非対称がはっきり見えます。
| 義父と連れ子 | 義母と義理の息子 | |
|---|---|---|
| 年上の側 | 男性 | 女性 |
| 主導する側 | 年上(男性) | 年上(女性)が多い |
| ジャンルタグ | 同人のみ(叔父・義父267) | 3媒体すべてにある |
| 件数 | 2,270 | 2,778 |
件数はほぼ同じですが、探しやすさがまったく違います。義母は3媒体すべてに同じ「義母」という名前のタグが存在する唯一の続柄で、横断して探せます。対して義父のタグは同人にしかなく、AVと成年コミックではタイトル語で拾うしかありません。
この非対称は、近親相姦ジャンル全体が「年上の女性」を中心に組み立てられていることの反映だと考えられます。共起ジャンルの上位が熟女18,370件・人妻11,476件であることとも一致します。続柄ごとの分類の有無は続柄いちらんに一覧としてまとめています。
寝取られとの重なりが特に出やすい
義父ものは、近親相姦の中でも寝取られの構図と重なりやすい型です。
再婚相手の連れ子に手を出すという行為は、見方を変えれば「母の娘を奪う」ことでもあり、また娘に恋人がいれば「その相手から奪う」ことでもあります。関係者が多いぶん、奪う側と奪われる側の構図を作りやすくなります。
近親相姦と寝取り・NTRの両方のジャンルが付いた作品は、3媒体あわせて4,775件ありました。この交差は、どちらか片方のジャンルだけを辿っていては見つかりません。規模は作品を探すのページで確認できます。
この型を探すときの手がかり
義父ものを探すときに実際に効く手がかりを、実測値の大きい順にまとめます。
| 手がかり | 件数 | 備考 |
|---|---|---|
| 義父 | 2,270 | 最も確実。AVに1,735件 |
| 再婚 | 1,792 | 関係の始まりを指す |
| 調教 | 1,524 | 段階的に進む展開 |
| 同居 | 845 | 一緒に暮らし始める |
| 連れ子 | 739 | 関係を直接指す語 |
| 義母 | 2,778 | 立場を入れ替えた型 |
関係の向きを入れ替えると、義母ものになります。義母は3媒体あわせて2,778件で、しかも3媒体すべてに同じ「義母」という名前のタグが存在する唯一の続柄です。他の続柄は媒体ごとに呼び方が変わるため、義母だけは横断して探しやすくなっています。
ほかの続柄も含めて全体を見るなら続柄いちらんへ。状況のほうから引きたい場合はきっかけで探すに、家の間取りから辿れる形でまとめています。この題材そのものの成り立ちについては近親相姦ジャンルの基本解説をご覧ください。