からかうつもりだった側が、途中で引けなくなる。姉が弟に手ほどきをする型は、主導権が逆転する瞬間に主眼が置かれます。童貞を扱った作品は近親相姦ジャンルの中に1,309件、タイトルに「筆おろし」を含むものは708件ありました。
姉は2,069件。ただし媒体によって拾い方が違う
姉ものの規模を3媒体で数えると、次のようになります。
| 媒体 | タグ名 | 件数 |
|---|---|---|
| AV | お姉さん | 389 |
| 成年コミック | お姉さん | 545 |
| 同人 | 実姉 | 1,135 |
| 合計 | — | 2,069 |
同人が1,135件と過半を占めています。AVの389件という数字は、他の続柄と比べて明らかに小さい。理由はタグの性質にあります。
「筆おろし」という型が要求するもの
この型には、他の続柄にはない前提条件があります。相手が未経験であることです。
近親相姦ジャンルの中で童貞タグが付いた作品は1,309件、タイトルに「筆おろし」を含むものは708件ありました。これは他の型では要らない条件で、この型を特徴づけています。
| 手がかり | AV | コミック | 同人 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| ジャンル「童貞」 | 580 | 405 | 324 | 1,309 |
| タイトルに「童貞」 | 1,204 | 633 | 941 | 2,778 |
| タイトルに「筆おろし」 | 451 | 58 | 199 | 708 |
未経験であることが前提になると、力関係が自動的に決まります。教える側と教わる側。年齢の上下と、経験の上下が同じ向きに揃う。この二重の上下関係が、型の出発点になります。
「からかい」から始まるという構造
兄が妹に持ちかける型が「練習させてほしい」という依頼から始まるのに対し、姉が弟に対する型はからかいから始まります。
この違いは、どちらに主導権があるかの差です。
- 依頼は、持ちかける側が下手に出る。断られる可能性を抱えている
- からかいは、仕掛ける側が上に立つ。相手の反応を見て楽しむ余裕がある
からかいには、はじめから「本気ではない」という逃げ道が用意されています。冗談として始めているので、いつでも冗談として引き返せる。ところが、この逃げ道こそが型の核心になります。
この型が描くのは、引き返せるはずだった側が引き返せなくなる瞬間です。余裕を持って仕掛けていた側の表情が変わる。上下関係が崩れる。そこが読みどころになっています。
兄が妹に持ちかける側の構造は練習という口実の型にまとめています。同じ「口実から始まる」構成でも、主導権の所在が逆になります。
年上が主導する型は、この題材の主流
姉が弟を導くという構図は、近親相姦ジャンル全体の傾向と一致しています。共起するジャンルを見ると、この題材が年上に寄っていることがはっきり出ます。
| 共起ジャンル | 合計 |
|---|---|
| 熟女 | 18,370 |
| 人妻・主婦 | 11,476 |
| 痴女 | 1,744 |
| 童貞 | 1,309 |
| 未亡人 | 576 |
熟女18,370件、人妻11,476件が上位を占めます。これは母と義母がジャンルの中心にいることの反映ですが、姉ものもこの延長線上にあります。近親相姦もので描かれる女性は、多くの場合「導く側」に置かれているということです。
痴女タグが1,744件付いているのも同じ流れです。主導する側として描かれる女性が一定数いることを示しています。
「教える」という関係が持ち込むもの
この型には、他の続柄にない要素があります。行為に手順としての説明が伴うことです。
教える側は、教えるという名目で主導します。教わる側は、教わるという名目で従います。どちらにも「そういうことになっている」という建前があるため、欲望を認めずに関係を進められます。
この構造は、兄が妹に持ちかける「練習」の型とよく似ています。どちらも行為を目的から切り離す口実を使っている点で同じです。違いは、練習の型がこれからの相手のためという理屈を使うのに対し、筆おろしの型は目の前の相手のためという理屈を使うところにあります。
| 練習(兄→妹) | 筆おろし(姉→弟) | |
|---|---|---|
| 持ちかける側 | 年上(男性) | 年上(女性) |
| 建前 | 将来の相手のため | 目の前の相手のため |
| 主導権 | 持ちかける側が下手に出る | 持ちかける側が上に立つ |
| 崩れる瞬間 | 嘘が露見する | 余裕がなくなる |
| 関連件数 | 7,902 | 2,778 |
件数では練習の型が大きく上回ります。兄と妹の型のほうが規模が大きいのは、妹という続柄そのものが7,002件と姉の2,069件を大きく超えているためです。
年齢差をどう扱うかで印象が変わる
姉と弟の関係では、年齢差の描き方が作品の性格を決めます。
差を強調すると、保護者的な色合いが出ます。世話を焼く関係の延長として行為が置かれるため、母ものに近い読み味になります。近親相姦ジャンルの共起で熟女が18,370件と最大になっているのは、この方向の作品が多いことを示していると考えられます。
逆に差を強調しないと、対等な関係の中での逸脱になります。この場合、上下は年齢ではなく経験の有無だけで作られる。童貞タグが1,309件付いているのは、この経験差を明示する必要があるためです。
同人でこの型が最も充実している理由
姉ものは、3媒体の中で同人に最も多く存在します。理由は2つ考えられます。
ひとつは、すでに述べたタグの問題です。同人だけが「実姉」という続柄タグを持っており、姉に絞って作品を作る/探すことができます。AVと成年コミックでは姉と妹が一括なので、そもそも「姉もの」として独立させにくい。
もうひとつは、男性側の続柄タグが同人にしかないことです。
| 男性側の続柄 | AV | コミック | 同人 |
|---|---|---|---|
| 兄 | タグなし | タグなし | 250 |
| 弟 | タグなし | タグなし | 133 |
| 叔父・義父 | タグなし | タグなし | 267 |
AVと成年コミックには、兄・弟という分類そのものが存在しません。男性側の続柄から探せるのは同人だけです。この非対称については続柄いちらんで全体を整理しています。
逆転が起きたあと、どう続くか
この型では、主導権が入れ替わったあとの展開が2つに分かれます。
ひとつは、関係がそのまま日常に組み込まれていく方向です。からかいで始まったものが習慣になる。近親相姦ものが「一度きり」で終わりにくいのは、関係を解消できないという構造上の理由があるためです。
もうひとつは、関係が家の外の要素と接触する方向です。姉に恋人がいる、あるいは弟に恋人ができるといった形で、奪う/奪われるの構図が入ってきます。近親相姦と寝取り・NTRの両方のジャンルが付いた作品は3媒体あわせて4,775件ありました。
この型を探すときの手がかり
| 手がかり | 件数 | 備考 |
|---|---|---|
| 童貞(タイトル語) | 2,778 | 最も広く拾える |
| ジャンル「童貞」 | 1,309 | 3媒体すべてにある |
| 実姉(同人ジャンル) | 1,135 | 姉だけに絞れる唯一の手段 |
| 筆おろし | 708 | 型そのものを指す語 |
| 痴女 | 1,744 | 主導する側から描いた型 |
| 弟(同人ジャンル) | 133 | 男性側から探せるのは同人だけ |
場所から入る型を読みたい場合は兄妹で一緒に入浴する型へ。風呂という場所自体が口実として機能するため、からかいの型と近い構造になります。